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熱収縮チューブといえば黒が定番ですが、中の表示を確認したい、見た目を損ねたくない、識別が必要といった理由で「透明」の需要は根強く存在します。例えば以下のような用途です:
ケーブルに印字された品番やバーコードを見せたい
LEDやセンサーなど、機能部を隠したくない
医療・理化学系などで被覆後の状態を可視化したい
では、透明の熱収縮チューブにはどんな種類があるのでしょうか?
以下のようなバリエーションが市販されています。
材質 | 特徴 | 難燃性 | 備考 |
---|---|---|---|
ポリオレフィン系(透明タイプ) | 柔軟性があり収縮率も高め | △(難燃添加材次第) | 耐熱・収縮性能は標準的 |
フッ素樹脂系(FEP・PTFE) | 高透明、高耐熱、化学耐性◎ | ○ | 高価だが精密分野向けに人気 |
PVC | コスト重視 | △ | 軟質PVCは難燃剤の影響で濁る傾向あり |
熱収縮チューブの素材は本来、多少なりとも曇った乳白色や半透明です。透明にするには主に以下の2つが必要です。
顔料を入れない(無着色)
樹脂そのものの透明度を高める(高純度ポリマー)
しかし、問題があります。それは――
多くの熱収縮チューブは**難燃性(UL規格等)が求められます。しかし、難燃性を確保するために添加される難燃剤(ハロゲン系など)**が、樹脂の透明度を損ねることがあります。
つまり、
透明性を優先すると難燃性が下がる
難燃性を優先すると透明度が落ちる
というトレードオフがあるのです。
透明の熱収縮チューブは魅力的ですが、すべての要件を同時に満たすものは少なく、優先順位を決めることがポイントです。
目的 | 推奨チューブ |
---|---|
中の印字が見えることが第一 | ポリオレフィン系透明チューブ(非難燃でもOKなら) |
難燃性と透明性の両立が必要 | フッ素樹脂系(FEP) |
安価に仕上げたい | PVC系のクリアタイプ |
長さやサイズが特殊 | 受注生産または加工品で対応可能なメーカーを選ぶ |
透明の熱収縮チューブは「見せるための保護材」として非常に有効です。しかし、「透明にしたい理由」と「必要な機能(難燃性・耐熱性など)」のバランスを見極めることが重要です。
用途に応じた素材と構造を選べば、製品の完成度を一段階高めることができます。