熱収縮チューブの使い方|収縮温度・サイズ選び・ヒートガンのコツ

How To Guide · Heat Shrink Tube · Usage

熱収縮チューブの正しい使い方
収縮温度・サイズ選び・加熱のコツ

自社計測データのグラフで、収縮温度と収縮率の関係を解説します
THTシリーズ 収縮温度と収縮率の関係グラフ(自社計測データ・2025年)
▲ THTシリーズ 収縮温度 vs 収縮率(自社計測データ・2025年)

熱収縮チューブは「熱を加えると収縮する」シンプルな製品ですが、加熱温度・サイズ選び・加熱方法を間違えると、うまく収縮しなかったり被覆が溶けたりします。このページでは現場で即使えるポイントを自社計測データを交えて解説します。

収縮温度と収縮率の関係【自社計測グラフ】

下のグラフは当社ポリオレフィン系熱収縮チューブ(THTシリーズ)の加熱温度と収縮率の実測データです。カタログに掲載されない細かな挙動を自社で計測しています。

温度 収縮率(目安) 状態・コメント
〜70℃ 約5% ほぼ変化なし。収縮開始の境界
80℃ 約20% 収縮が始まる。ドライヤー(弱)の限界付近
90℃ 約50% 急速に収縮が進む。ヒートガンで数秒
95〜100℃ 約58〜60% 最大収縮率に到達。これ以上加熱しても変化なし
120℃以上 約60%(変化なし) 過加熱。被覆が変色・溶損するリスクあり

ポイント:90〜100℃の10℃間で収縮率が急変します。この温度帯を一気に通過させるようにヒートガンを動かすことが、きれいな収縮仕上げのコツです。

実際の収縮の様子(動画)

サイズの選び方|内径・収縮後内径・肉厚

熱収縮チューブのサイズ選定は3つの数字を確認することが基本です。

確認項目 意味 選定の目安
収縮前内径 チューブを通す前の内径 対象物の外径より20〜30%大きいサイズを選ぶ
収縮後内径 最大収縮後の内径 対象物の外径より小さいこと(密着するか確認)
肉厚 収縮後の壁の厚さ 絶縁・防水目的なら0.8mm以上が目安

よくある失敗として「チューブが通らない」場合は収縮前内径が小さすぎです。対象物径×1.2〜1.3のサイズを選び直してください。「収縮後にゆるい・隙間がある」場合は収縮比率の大きい製品(3:1など)への変更を検討してください。

加熱方法|ヒートガン・ドライヤーの使い方

推奨 · 標準的な加熱方法

ヒートガンを使う場合

  • 1
    設定温度:200〜300℃(チューブ表面が90〜100℃になるよう距離を調整)
  • 2
    距離:チューブから3〜5cm離す。近すぎると一点が焦げる
  • 3
    動かし方:端から端へ均一に移動。仕上げはチューブを回転させると全周に熱が当たり密着精度が上がる
💨
補足 · 代替加熱方法

ドライヤーを使う場合

家庭用ドライヤーの最大風温は約80℃のため、細径・薄肉チューブに限り使用可です。太径・防水タイプには十分な収縮が得られないためヒートガンが必要です。収縮開始温度70℃以下のチューブであれば対応可能なケースもあります。

よくある失敗と対処法

失敗 原因 対処法
収縮が不均一・シワが残る 加熱が局所的 端から端へゆっくり均一に加熱する
チューブが焦げた・溶けた 過加熱・距離が近すぎ ヒートガンをチューブから離す・移動速度を上げる
収縮後に白く濁った PVC製チューブの過加熱 ポリオレフィン製に変更するか加熱温度を下げる
端部がめくれる 端部だけ加熱しすぎ 中央から端に向けて加熱する
ハーネスに通せない コネクタが引っかかる 後入れ対応チューブを使う

用途別おすすめ製品

用途・条件 おすすめ製品
一般的な絶縁・保護(標準品) THT(ポリオレフィン・収縮率60%・70℃から収縮開始)
難燃性が必要(UL規格) UL規格対応 熱収縮チューブ一覧
防水・防湿が必要 防水熱収縮チューブ(接着剤付き)一覧
50φ以上の大口径 大口径熱収縮チューブ一覧
後からチューブを通したい 後入れ対応チューブ一覧
耐熱125℃以上が必要 耐熱熱収縮チューブ一覧

Summary · 使い方のポイントまとめ

収縮温度

90〜100℃が急変点

70℃から収縮開始。90〜100℃で一気に最大値(約60%)へ到達

サイズ選定

対象物径×1.2〜1.3

収縮前内径・収縮後内径・肉厚の3点を確認してから選ぶ

加熱方法

端から端へ均一に

ヒートガン200〜300℃・距離3〜5cm・一点に当て続けない

より詳しい選定については、ぜひ当社にお問い合わせください。用途・環境・サイズをお伝えいただければ最適な製品をご案内いたします。

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用途・環境・サイズをお知らせいただければ、最適な製品をご提案します。

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